ここ最近、会社で「SDGs」というキーワードが出てくることが多くなってきました。数か月前は1企画・1案件として「SDGsに関連する提案を・・・」という話があったので、「SDGsって何?」という感じでしたが、最近では会社自体が経営的に「SDGsに取り組む必要がある」という認識になり、「SDGsを考慮した製品開発をせよ!」という状況になってきました。
現在は大企業が中心に取り組みを意識し始めている状況ですが、今後は中小企業も含めて取り組むべきものです。
私もインターネットで調べて、「SDGsが何か?」「SDGsは何を目的にしているのか?」などを調べ、ある程度は把握できてきました。ただ、仕事・業務に生かすためにはもう少し深い理解が必要と考え、本を読んで勉強しました。
色々頭の中を整理しながら読んだので、180分ぐらいかかりましたが!(笑)
SDGsとは?
そもそも「SDGs」とは何か?というところですが、この辺りはググればする出てきますが、念のため引用だけしておきます。
持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。 SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
要は、全世界で人類が達成すべき共通目標を定めたものです。あくまで共通目標であり、実行責任や未実行に対する処罰・ペナルティなどはありません。あくまで目標です。とはいえ、SDGsを意識しないと今後の企業の経営に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
企業としてのSDGs取り組みの必要性
企業としての生き残り
一般的に企業は銀行や投資会社から融資を受け、企業を継続的に成長させるための経営を行ってきました。これまでは企業の成長性や事業収支、事業計画に基づいて融資を受けてきました。一方で継続的に経営するために「利益重視」の手段を重要視する傾向に陥るケースもあり、それにより環境破壊や経済問題となる事例も発生してきました。
これらの問題について世界的な改善を図るために「SDGs」が提唱されているわけですが、今後、「SDGs」に貢献しているかどうかが「投資を判断するための指標」になってきます。「企業がSDGsに対してどのような取り組みをしているか?」も投資の判断基準になるわけです。
また昨今では少子高齢化の影響で働き手の不足が進行しています。企業が新しい人材を確保することがより一層困難になってきます。より良い人材を確保するために企業も企業価値を向上させる必要があります。この場合にも「SDGsへの貢献度」が一つの要素になります。
企業を継続的に成長させるためには、融資を受け、よりよい人材を確保・雇用することが重要なわけですが、これらに対しても今後はSDGsが強く影響してきます。
従業員としてのSDGsへの取り組み方
会社としては継続的な経営のためにSDGsを考慮することが重要であることはわかりました。では、従業員はどのように取り組めばよいのでしょうか?
ひとつは、SDGsに貢献できる製品やサービスを開発したり、SDGsの課題を直接改善するような取り組みを行うことです。例えば、「きれいな飲み水」を提供するために、汚れた水を浄水できる機器の開発・提供などがあります。
また、「業務への取り組み方」においてもSDGsへの関与が可能です。業務中の無駄な電気の使用を削減したり、社内の男女格差への改善提案をするなど。従業員の個人の行動をきっかけにSDGsへ貢献できるケースも多々あります。
SDGsをビジネスにどう生かすか?
「世界の人類に関わる課題の改善」となると、なんとなく「社会貢献」のようなイメージととらえがちです。企業にとって成長するためには継続した売上・利益が必要になりますので、社会貢献のようなボランティア活動にばかり注力する余裕はない場合が多いです。企業価値の向上を意識する大企業ならまだしも、中小企業は経営を持続させるだけでも必死です。ボランティア活動を行う余裕もありません。
しかし「ピンチはチャンス」とはよく言ったものです。世界や人類の課題を「ピンチ」と捉え、それを企業が成長するための「チャンス」と考えるべきです。
SDGsへの取り組みが強く意識され始める中で、多くの企業はSDGsへの何かしらの取り組みを始めます。SDGsの課題に取り組むためには企業単体では実現できないことも多々あります。そのため、業務提携できるパートナー企業とともに課題に取り組むケースが多くなります。このような機会を「ビジネスチャンス」と捉えることにより、自社の資源を生かした機会創出にもつながります。
継続=支えあう/エコシステムの形成
SDGsへの取り組み方として、効果のある「エコシステム」を形成することが重要です。
1.企業は雇用者を支援・教育する
2.雇用者は生産活動を行い、賃金を得て生活する
3.企業は多くの雇用を抱え、事業を拡大する
ごく一般的な企業・従業員の仕組みに見えますが、これをSDGsへの取り組みに置き換えると以下のようになります。
1.企業は貧困地域で雇用者を確保し、自社事業に関わる業務の教育する
⇒ 【目標4】質の高い教育をみんなに
⇒ 【目標8】働きがいも経済成長も
⇒ 【目標9】産業と技術革新の基盤をつくろう
⇒ 【目標17】パートナーシップで目標を達成しよう
2.雇用者は生産活動を行い、賃金を得て生活する
⇒ 【目標1】貧困をなくそう
⇒ 【目標2】飢餓をゼロに
3.企業は多くの雇用を抱え、事業を拡大する
⇒ SDGsの取り組みにより企業価値が向上し、継続的な経営が可能に
このように、一般的な企業活動を少しSDGs向けに考えると、多くの課題を改善できる可能性があります。
中小企業におけるSDGsの取り組み
先にも触れました通り、SDGsの取り組みは大企業を中心に進み始めています。中小企業での取り組みはほとんど行われていません。中小企業でSDGsの取り組むを行っても発信力もあまりないのでやる意味がないのでは?と思われがちですが、そうではありません。
中小企業にとってもSDGsへの取り組みは経営を継続するうえで非常に重要になります。
中小企業側のメリット
SDGsへの取り組みは「投資」の指標となります。小さな取り組みであったとしてもSDGsへの積極的な投資は投資側からすれば評価すべき項目です。継続的な経営を行うためには資金調達も重要ですから、SDGsへの取り組みは無視できません。
とはいえ、中小企業が単独で効果のあるSDGsへの取り組みは難しいかもしれません。しかし、それは大企業であっても同じです。大企業もSDGsへの取り組みに対して自社のリソースを投入する余裕はありません。
そこで検討すべきは「企業連携」です。「SDGsへ取り組みを積極的に行いたいがリソースがない大企業」と「SDGsへの取り組み資源はあるが単独では効果を得られない中小企業」が連携することにより、1つのSDGsへの取り組みを行うことができます。
そしてお互いが「SDGsへの取り組みを実施」を公表することが可能になります。
大企業側の取り組み方
大企業は様々な取り組みに対して自社単独で対応できる可能性も低くはありません。しかし、そこは視点を変え、「中小企業との連携」を意識することで、「【目標17】パートナーシップで目標を達成しよう」の目指すことになります。
中小企業に業務案件を提供し、企業の成長を支援することで「【目標8】働きがいも経済成長も」に貢献できます。
人類が目指すべき目標
目標に対する誤ったアプローチ
これまでの「利益主義」の影響により、「環境破壊」「格差社会」などの世界的課題が発生しました。なぜ「利益主義」が必要であるかを今一度考える必要があります。人類は「利益」を求めることが目標なのでしょうか?
人類の一番の目標は「幸せであること」ではないかと思います。これが、
幸せ ⇒ 満足な暮らし ⇒ お金が必要 ⇒ 利益主義
となったのであろうと思います。これが結果的に「幸せであること」の維持が困難になってくる可能性がある。というのが現状です。
一番の目的
目標を意識するがあまり、手段を誤り、本来の目標を逸脱してしまっては元も子もありません。とはいえ、自分が生活するために、企業が継続して経営を行うためには「利益」が必須です。これを改善するためにSDGsを意識した取り組みが必要となります。
幸せ ⇒ 満足な暮らし ⇒ お金が必要 ⇒ SDGsを考慮した取り組み
⇒ 利益確保/環境・社会改善 ⇒ 世界人類が居心地のよい社会
まとめ
いかがでしょうか?SDGsへの取り組みが非常に重要であることが理解できたかと思います。SDGsへの取り組みについては恐らく大企業が中心で、かく、大企業のなかでもごく一部の方々しか意識していないことがあります。
企業の全社員やパートナー企業が意識し、取り組むことにより、本来目指すべき社会が生まれます。
SDGsへの取り組みが効果的に機能すれば、環境も保護され、格差社会も少なくなり、より多くの人々が幸せになれます。
そもそも人生を幸せに過ごすためには、実際のところさほどの利益は必要ないはずです。技術が発達し、人類の欲求が変化し、それにより必要以上のお金や利益が必要になってきます。
現在の企業経営は「いつ何があってもおかしくないので、今のうちに利益を確保しておかなければ企業経営が難しくなる」という観点から、一部の企業が自らの利益を確保するため、弱小企業は締め出されることになります。それにより格差社会が生まれます。
この状態は「企業による経済の買い占め」と言ってもよいのではないでしょうか?
最近起きている「コロナウィルス」によって起きた「マスクの買い占め」にも似ているかもしれません。
つまり、今の社会は「経済パンデミック」ですね。そういうと、今の経済はかなり悪い状態なのでは?と想像つきやすいかと思います。
世界の人類がお互いを尊重し、助け合えば、そのようなパンデミックは改善されます。そのような取り組みがこの「SDGs」が目指す社会なのでしょう。