子供の頃過ごした地域が過疎化していく
先日、戸籍謄本を取りに生まれ育った地元の市役所を訪問しました。市役所はもちろん市の中心部にあります。市の中で一番栄えているべき場所です。子供の頃は休みの日に友達とよく訪れて遊んでいました。楽しい思い出がたくさんある場所です。
実家にはよく帰っていますが、市の中心を訪れたのは実に20年振りぐらいです。久振りにいつも使っていた鉄道の駅に降り立ったとき、衝撃を受けました。
廃れている。。。。
子供の頃、あんなに楽しかったあの街が見る影もありませんでした。経年劣化により駅や周りの建物が古くなっているのは仕方がないとしても、何より活気がまったく感じられませんでした。駅前にも関わらず、人がいない。平日というのもありましたが、以前は平日でも何かとにぎやかな場所でした。
よく見ると様々な商店があった場所もかなり閉まっていました。
これは過疎化か?
そう感じました。改めて考えると、私は第二次ベビーブーム世代。ベッドタウンの地域であったため周りに同年代の子供は多く、小学3年の頃には近くに別の新しい小学校ができました。それだけ多くの子供、そして家族が暮らしていました。
その子供たちは今、40歳過ぎ。当然、ほとんどの人は親元を離れ、別の地域で別の暮らしをしています。そして残るのは団塊の世代の70歳くらいの高齢者。
地域に最近目立って増えるのは高齢者施設。そのような状態です。
高齢者しか残らなくなった地域は経済力が低下し、進歩もせず、廃れていくというのが現状のようです。
都市化による負のスパイラル
地方で暮らしていた人の多くは職場が近い都市の周辺で暮らし始めます。
都市では地価が高いため、マンションだったり隣接した戸建てに住む人も多くなります。すぐそばに大きな公園でもあればよいですが、家の前でボール遊びでもしようものなら、隣の家の車にボールが当たる、ボールのつく音がうるさいなど、周りに気を使いながら遊ばなくてはなりません。そのうち外で遊ばなくなります。室内にこもりがちになり、ゲーム三昧。
お金を出せば遊べるところが都市には多いので、リッチな遊びに慣れていき、アナログな遊びには興味を持たなくなります。 そして地方を敬遠するようになります。
都市化がすすむ
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多くの人が都会に流れる
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その子供たちが都会になれる
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大人になっても地方を魅力に感じない
↓
地方離れが加速
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地方に人が来ない
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地方に子供が増えない
このような負のスパイラルにより、今後も地方の過疎化が進んでいってしまうのではないかと考えています。
地方の過疎化を防止/地方創生の活性化
地方の過疎化を止め、活性化を図るには、「地方の良さを知っている最後の世代」である我々が先頭にたって地方創生に積極的に取り組む必要があるのではと思います。
我々の世代で地方創生が進まなければ、おそらく次の世代は地方創生に興味を持たないかもしれません。
地方創生を次の世代につなげるには、子供のうちから地方の良さを感じてもらう必要があります。つまり、小さな子供を持つ夫婦をターゲットにし、その家族が新しく暮らす土地として地方を選択してもらう必要があります。
雇用はもちろんのこと、子供を持っていても安心して暮らせる環境。例えば「保育施設」「小児科院」や「児童手当」の充実などが考えられます。
これを書きながら思いついたのは「明石市」ですね。最近別の理由で注目されていた明石市ですが(詳細はネットを見てください(笑))、明石市での最近の政策が実り、人口が増えています。
あんなことがあっても市長が再選したのは、そのような政策がしっかり評価されたからでもあるのでしょう。地方創生という政策のお手本なのかもしれません。
そのような取り組みは今だからやる価値があるように思います。私もライフシフトを検討するうえで、セカンドキャリアとして選ぶ職業はそのようなことにかかわれるものにしたいと思っています。